≪IFA2014レポート≫サムスンのスマート電球は災害時にも役立つ?


今回、展示が充実しているサムスン。ブースの片隅では照明機器の展示が行われていました。ちょっと閃いたことがあったので、展示と共にご紹介します。そのコーナーで呼び止められた時、言われたのは「LED電球をコントロールできる」ということです。「それなら、フィリップスのhueと同じじゃない?」と聞くと「違うブリッジがいらない」と言います。ちょっと解説しましょう。

フィリップスのhueというのは、昨年発表された灯りの色をコントロールできるLED照明システムです。hueのスターターセットでは、LED電球3つとLEDブリッジ1つがスターターセットになっています。アマゾンで検索すると、価格は25,000〜28,000円位。それなりのお値段です。それはおいておくとして、このLED電球を、家庭のふつうの照明の口がね(E26規格)に付けると、通常のLED電球(色は電球色)として使えます。 ただし、このLED電球とLEDブリッジには、「ZigBee Light Link」と呼ばれる照明コントロールの規格で通信できるシステムが組み込まれています。hueのLED電球をスマートフォンでコントロールするためには、まず、LEDブリッジを家庭内LANの中に組み込み、その家庭内LANとスマートフォンがつながるようにします。つまり、「スマートフォン」⇒「家庭内LAN」⇒「LEDブリッジ」⇒「LED電球」という流れでコントロールするのです。

フィリップスのhueスターターキット。

フィリップスのhueスターターキット。

サムスンの説明員さんが言っているのは、LEDブリッジがいらない。つまり家庭内LANにつなぐ必要がないということ。スマートフォンと、このLED電球があれば、システムが組めるというわけです。

左:サムスンの照明コントロールシステム「GB9000」のスペック。右:主な特徴。3番目に『ブリッジ無しでダイレクトコントロール』とある。

左:サムスンの照明コントロールシステム「GB9000」のスペック。右:主な特徴。3番目に『ブリッジ無しでダイレクトコントロール』とある。

「GB9000」のLED電球。スマートフォンからダイレクトに明るさをコントロールできる。

「GB9000」のLED電球。スマートフォンからダイレクトに明るさをコントロールできる。

ただこちらでコントロールできるのは色ではなく、明るさです。そのデモを見ながら私は別の事を考えていました。これって、「災害警報で使えないかなぁ…」ということです。
最近の災害は厳しい。ギリギリしのげると思っていても急に想定以上のことが起こったり、くるくると言われてもこなかったり、予報も難しい。しかもいきなり真夜中に警報が発令されることもあります。そんな時、どうでしょう。警報がスマホに入ると、それにあわせて家中の電灯が点滅するのです。そう、家が貴方に危ないことを教えてくれるわけです。また、音での警報だと、耳が不自由な人には届きません。しかし、これなら届きます。しかも、いろんな家の照明が一斉に点滅を始めるので、外からでも分かります! HEMS(ホーム・エネルギー・マネージメント・システム)などを、本当に全家庭に普及させるつもりなら、地域に密接した行政と組むことも必要だと思ってしまったわけです。このあたり、日本メーカーからも声を上げて頂きたいところでもあります。

サムスンは、このほかにも照明の多様性も訴求しています。ただLED化することに躍起になって多様性が交代している今こそ、この様な商品は求められると思います。

左:日本では見かけない多様性を訴求したLED電球。右:使用例。ガラスのペンダント照明が活きてくる。

左:日本では見かけない多様性を訴求したLED電球。右:使用例。ガラスのペンダント照明が活きてくる。

このような平たいLED電球もラインナップ。

このような平たいLED電球もラインナップ。

(多賀一晃)

2014年09月16日(火曜日)