■小さなブースに潜む、大いなる構想
このブースは何だろう?と迷い込むと、壁に「ENERGY MANAGEMENT」という言葉がありました。どうやら、このシステムは「HEMS」(Home Energy Management System)のようです。
まだHEMSは一般化してはいませんが、先日、三菱電機が自社の家電商品を対象にした本格的HEMS商品を発表したように、数年のうちに当たり前のものになると思われます。
■日本では大メーカー主導で進むHEMS提案
簡単にいうと、家庭内の電力と家電を集中コントロールして効率的に電源を活用していくシステムです。「太陽光による発電・蓄電・売電」、また「家電の消費電力ネットワーク」、さらには「電気自動車への給電・蓄電」までをつないでいくようなものです。
日本でのHEMSは、巨艦の電機メーカーが先導しており、パナソニック、三菱、東芝、日立などが自社の家庭用製品をつなげるため、各社各様の様相を呈しています。その理由は「お客様の使用環境向上のため」とか「他社の商品は保証外だから」とか「自社製品で固めたほうが儲かる」などの思惑があるようです。
■EEBusは、HEMSの国際標準規格をめざす
しかしながら、ここドイツでは、大手企業、団体、国際エネルギー、通信、電機メーカー有機的につなげようとしているのです。それがこのブース「EEBus Initiative」です。そう、HEMSの国際規格化を目指しているのです。
目標も高く、スマートネットワークに対する持続可能な、安全で、効率的なインフラ作りを掲げており、スマートホーム、スマートビル、スマートシティを構築するための標準化技術を開発しています。
「さすがドイツ」といっている場合ではありません。家電はデザインや使い勝手、あるいは価格によって、いろいろなブランドを買いたいもの。日本のメーカーは何をやっているやら。(永井光晴)
EEBus Initiative e.V
http://www.eebus.org/eebus-initiative-ev/