■Grundig社のあり方
5日朝、Grundig(グルンディッヒ)がプレスカンファレスを開催しました(ホール23b ブース101)。
グルンディッヒは日本ではあまり馴染みのないメーカーだと思います。第二次世界大戦後、ラジオの製造・販売から操業開始。当初はオーディオビジュアル機器メーカーとして成長し、現在は、総合家電メーカーとして、各分野で欧州シェア10%~20%の中堅メーカーとなっています。
■ドイツらしい家電デザイン
展示ブースで「台所」を模したコーナーがありました。と言っても「壁」です。ヨーロッパ、特にドイツは「すっきり」・「清潔」が重要とされます。「手術室」と揶揄されることも多いのですが、典型的なドイツデザインです。「ビルトイン」ですっきり。ステンレスを活かしたデザインであるのは、何度拭いても塗装が剥がれる心配がないためです。しかも、ドイツの自然と言えば「森」。木壁にしっかり馴染みます。
■身の回り家電だからこそ、ドイツデザイン
同社の販売は、1位 テーブル・ラジオ、2位 ヘア・カッター、3位 液晶テレビだそうです。
黒い単なるヘア・カッターが、オーディオビジュアル機器も作っている総合家電メーカーを支えているのはおもしろいことです。グルンディッヒは、理容・美容全体にも力を入れている会社でもあります。また、その横にあった体重計も目を引きました。そう足のせ部分が木製なのですね。高温多湿の日本の場合、足のせ部分を木で作ると汚くなる可能性があり、メーカーとしては採用しづらいデザインだと思います。これもドイツデザインだと思います。
また、テーブル・ラジオではないですが、コロコロデザインのサウンドクロックが至る所に展示されていました。力の抜けたシンプルさです。グルンディッヒ社のブースで、生活家電のデザインはいかに生活のエリアに密着したデザインであるべきかを、再度見せつけられました。(多賀一晃)