IFAには、大メーカーだけでなく中小のメーカー、そして新規参入のベンチャーに至るまで。ブースを出しています。特にデジタルガジェット関連は、ネットで勢いがあるのに対し、会社の規模自体はかなり小さかったりします。しかし問題は規模ではなく、将来性があるかどうかです。では、どうしたらそれがわかるのでしょうか? 今回、MY KRONOZブースとMisfitでは、共通の特徴を持っていました。
■MY KRONOZ
KRONOZ(クロノス)は、スイスのスマートウォッチメーカーです。ヨーロッパでは、8機種を販売。もっとも売れ行きがイイのは、ZeFitとよばれるモデルで、ヨーロッパ以外にカナダ、台湾でもよく売れているとのことです。価格は、59ユーロ(9/10の為替レートで8,118円)。
ここの製品は、9月22日より加賀ハイテック社が日本でも販売されます。ドイツでその情報を得ましたので、一足お先にという感じで製品を見に行きました。
上の写真は、Hall15にあるMY KRONOZブースの写真です。1960年に、イギリスもしくはアメリカにあったカフェの様なブースです。
ブースに行くなり、説明をしてくれた女性が、自慢げに話し始めました。「いろんな色があって良いでしょう!」 「絶対に自分の好きなタイプがありますよ!」機能が重要なスマートウォッチとは思えない一言ですが、大きくうなずけることがあります。
■「気分」はすこぶる重要!
1980年代は、時計という古くからあるウェアラブル機器にとって大転機がありました。
「Swatch」と「G Shock」が販売されたのです。特に「Swatch」。伝統工芸ともいうべきスイスの時計産業ですが、1970年代に、日本からデジタル時計がでると、壊滅寸前まで追い込まれます。
この時、起死回生を担ったのが「Swatch」。それまで、「一生モノの高いモノを」という概念を捨て去ります。使い捨てても惜しくない価格、多機種。色違いではなく、多種多様なデザイン。そして、デザイン毎、販売数を決め売り切り御免。これにより、安いけど貧乏くさくなく、しかもコレクション性を持った時計ができあがります。
実際、私もハマりました。最高80本位持っていたでしょうかね。死蔵は趣味ではありませんので、毎日違うのを着けていました。週5日出かけるとして、10本位用意しました。気分により変えるのです。今日は落ち着いた気持ちだからシック系。ちょっと落ち込んでいるから、ポップな奴。そんな感じでした。おもしろかったですね。
■スマートウォッチの機能って・・・
スマートウォッチは実に色々な機能が詰まっています。しかし当然、その大きさから何かが欠けるわけです。例えば、ZeWatch2は、かなり優れていますが、防水機能はないなどです。
また、同じ機能でも、使い勝手が違ったりします。逆にいえば、複数持つのが正解かも知れません。すべての機能を持つのではなく、自分が好きな機能を少し持って歩く。複数持つことで、その機能を変えるわけです。
複数持つ時に、色でいうと「全部 黒」なんてあり得ません。使いやすく、失礼にあたらない色ですが、それだけでは本当につまらない。説明員の女性ではありませんが、多種多様のデザイン、色は重要です。マイクロノス。ちょっとほしくなりました。
ちなみに、この4機種以外に、ラインナップはあと4機種あります。今後、日本での扱いが増えるかも知れません。
■Misfitのブースでも・・・
MisfitのSHINEはアプリの機能が少なすぎるのを除くと、よくできた活動量計だと思います。そのブースは、MY KRONOZの向かい側にありました。黒しかない日本のラインナップとはまったく違いますね。
聞くと、「カリフォルニアの製品だよ。カラフルなのは当たり前じゃないか!」といわれました。スマート系のデジタルガジェット。機能より、自分の感性に合わせて選んだ方が、後悔しない買い物になるかも知れませんね。(多賀一晃)