≪IFA2014レポート≫iRobot社のお掃除ロボット出揃う! 最新型はモップ掛けロボット!


掃除は3つに大別されると思います。1つはドライな手法でホコリを取る方法。いわゆる掃き掃除でもあり、iRobot社でいえばルンバがその役割を果たします。2つ目はウェットな手法で拭き取る方法です。これは日本の家庭でもお馴染みの雑巾掛け。iRobot社で言えば、ブラーバがそれにあたります。残るもう1つは、学校ではお馴染みのモップ掛け。今回のIFAでお披露目されたiRobot社の新型機、Scooba「スクーバ」はモップ掛けタイプのお掃除ロボットなのです。

■モップ掛けの特徴
拭き掃除と言えば、日本では雑巾掛けが一般的ですが、海外ではモップ掛けが常識です。この差は生活習慣から来ています。キーワードは裸足と土足。
日本人の基本である裸足。それにあわせて床材は、柔らかめのフローリング、もしくは畳です。足触りの関係上、余り堅いモノは使われません。足にゴミが付かないことは最低限必要なのですが、できれば足の裏が気持ちイイ状態であることが望ましい。そこで当然、丁寧に拭き清める感じとなります。雑巾を持って、自分の目で見ながら、手で! これが雑巾掛けです。

それに対して海外では常に土足が基本。このため床材もハードですし、水でバシャバシャに濡らして、水ごと汚れを拭き取る感じです。雑巾が「完全」を目指す雰囲気でしたら、モップは「ある程度」という雰囲気を持ちます。

iRobot社の新型機、モップ掛けロボット掃除機Scooba「スクーバ」。濡れても問題ないようにゴムが多用されている。

iRobot社の新型機、モップ掛けロボット掃除機Scooba「スクーバ」。濡れても問題ないようにゴムが多用されている。

■スクーバの特徴
スクーバを持つと瞬時に分かるのですが、「ゴム」が多用されています。つまり水に対応していますよということです。使用に際しては、内蔵されているタンクに少量の洗剤と水を入れます。この水が本体の裏からじわじわと吐出され、ヘラ状のゴムで引き延ばされます。そしてブラシで、水とホコリを掻き上げ、排出用タンクにゴミの混じった水を移動させます。またブラシの後ろ側にも水を吸い取る機構を持ちます。まさにモップがけと同じです。このため、掃除をすればする程、床がビチャビチャになります。で、最後にから拭きをして、ほとんど水がない状態にして終了というわけです。

左:指し示した穴から洗剤の水溶液が出てくる。中:白いヘラ状のゴムで水溶液を引き延ばし、回転するブラシで水とホコリを掻き上げる。右:一番後ろの黒いゴムの部分は二重構造。水分を吸い取る窓ふき掃除機と同じ方式になっている。

左:指し示した穴から洗剤の水溶液が出てくる。中:白いヘラ状のゴムで水溶液を引き延ばし、回転するブラシで水とホコリを掻き上げる。右:一番後ろの黒いゴムの部分は二重構造。水分を吸い取る窓ふき掃除機と同じ方式になっている。

■ルンバと同じ頭脳
スクーバの頭脳、ナビゲーションシステムはルンバと同じだそうです。同じ場所を4回、別々の方向から通過するというランダムナビです。これを使い、その内3回は水拭き、最後の1回はから拭きします。初めの3回は、かなり水が残ります。ビチャビチャです。「壊れているのか」と思えるほどです。しかし、最後のから拭きで見事にキレイ! ビックリしました。

スクーバで掃除途中の床。心配になるほどビチョビチョ。

スクーバで掃除途中の床。心配になるほどビチョビチョ。

■使える条件
スクーバは実は使える条件がかなり限定されます。水をこそぐように、床から吸い取って行くので、まず、床に凹凸がないことがマスト条件になります。段差のない、ハードフロアが条件になります。しかしこれで、すべてのタイプのお掃除ロボットがそろったわけです。ホウキ、雑巾、モップの3タイプ。いずれも名前の最後にそろって「バ」が付いています。しかし、日本には一般的には、モップがけの文化はありません。このためか、スクーバが日本で販売されるかは、現状で未定とのことです。

■その他のロボット
これ以外にも会場には、あと2機種展示してありました。1つは去年も展示してあった「雨どい掃除ロボット」です。ただし、対応する雨どいのサイズが海外仕様。そのまま日本では使えません。
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もう1つは、プール掃除ロボットです。プールの底に潜って、ゴミを取るのだそうです。浮力の扱いも上手く、壁部分も掃除可能だとのことです。こちらの問題は、まず日本では家にプールがない(!?)ことですかね。
DSCF5291

何にせよ、iRobot社のお掃除に対する持ちネタは、まだまだ尽きないようです。(多賀一晃)

2014年09月22日(月曜日)